一人を選ばなくてはいけないのか【僕らふたりの物語 その2】ーふたこわたる公式ブログ「人々よ、自分の祖国を取り戻せ!」
人生に起こる大変な出来事って、意味があるかどうかは意味づける人次第だと思うけれど、「必然性」はあるなあと僕は思っています。
僕が結婚しているときにけいこちゃんと恋に落ちて、そのあといわゆる修羅場と泥沼を経験することにも、少なくとも僕の側には必然性があったとわかります。
僕が取り組み切れていない課題が浮上してきたから。
僕がその歳になるまでに積み残していていると自覚していた、大きな課題がいくつかありました。
その一つは、僕自身が多数愛的な傾向にあるのではないか、疑惑。1対1のパートナーシップに向かないのではないか、という疑惑。
***
さかのぼること15年とか20年とか前、僕はある女性Aさんとつきあっていました。その子はとても気遣いのあるいい子で、たぶん僕と彼女は喧嘩をしたこともなかった。とても穏やかに幸せな時間を共有していました。
そしてそんなあるとき全然違うタイプの別の女性Bさんとの間で、いきなり雷に打たれるような経験をしました。
あるワークショップに参加したペアワークで組んだその人が、ワークの指示を少しだけ変えて、より繊細な感度がなくてはできないように難易度を上げるような提案をしたんですよね。
で、職人魂熱い若き日の僕は、「(それ燃える!!)」と思い受け入れて、セラピスト役をやったのでした。
その時のワークはたとえて言うと、透明だけれど暗い静かな湖に、水よりほんの少し重い比重のなにかが、目に見えないくらいゆっくりと沈んでいくのをサポートする、みたいな体験でした。
ふたりでその何かがゆっくりゆっくりと、ほとんどわからないペースで暗く冷たい湖に沈んでいくのを眺めていたある時点で、彼女が泣き出し、琴線に触れる体験だったことが伝わりました。
そしてその時の僕は、僕の最高に繊細な贈り物を受け取ってもらえたような、満足感と高揚感があったのでした。
***
今から思えばですけれどね、僕が後年、言ってまわっている「男性は愛を受け取ってもらって、女性に喜ばれるのがしあわせ」っていうのを、当時はそういう風にはっきり捉えられていなかったけど、深く体験した瞬間でした。
そのことによって、僕のハートがバンッと開いてしまって、Bさんのことが好きになってしまったのでした。
でも僕は、Aさんのこともとても好きでとてもとても大切でした。
そして当時はそのことをどうしていいのかわからず、どちらとも離れることは考えられず、ふたりに愛を注ぐことはできるけれども、かといってふたりとつき合うということも考えられませんでした。
当時は僕はもっと自由じゃなかったから、ふたりとつき合うと人々から後ろ指指され、非難され、暴力的に扱われると思っていたし、そのことが怖くて仕方ありませんでした。僕はそれには耐えられそうにない。だから、どちらかを選ばなくてはならないんだ、と思っていました。
その頃には僕はどんな生き方を選んでもいいし、何を選んでもその選択の結果が返ってくるだけだと認識していたので、なんていうのかな、「こうじゃなきゃいけない」と思ったわけじゃないんですよ。これは怖すぎるから、僕は泣く泣く、一人を選ぶことを選ぶ。
でもそれがあまりにも辛すぎて、比喩じゃなく家でのたうち回って、泣きながら床を叩いたり蹴ったりする日々がしばらく続きました。
***
そうして引き裂かれながら、もともとつき合っていたAさんに、別れを告げる事にしました。
話があるんだけれど、と切り出したあと、僕ははじめて彼女の前で泣き、いや泣き崩れて話せなくなってしまいました。
彼女はもちろんとても心配してくれて、どうしたの?と優しく聞き続けてくれて、どうにか落ち着きました。
そして僕が事情を話し終えたとき、彼女が「わたし、魅力がたりなかったね」とにこっと笑おうとして、そのまま声を上げて泣き崩れました。僕はこの瞬間を、ずっと忘れないだろうなとその時感じました。そして今でもありありと思い出します。
***
その後、僕はBさんと何年かつき合うことになります。
でもこのときに僕は自分の課題に向き合い切れていなかった。
僕は怖れから、自分の愛を全開にして生きる可能性をあきらめてしまった。その探究をあきらめてしまった。
そして、その後も「ふたこわたるよ、ほんとうにそれでいいのか。自分の愛を全開にして生きることから逃げていないか。」と、ことあるごとに運命は扉をたたくのでした。
つづく
********************
今後の予定
10/7 大分
パートナーシップお話会&相談会 「どれほど困難でも繋がりを求める価値はある」
https://www.facebook.com/events/1400034650112703/
11/4 仙台初開催
ふたこわたる『好かれる勇気』講座
~大好きな人に好かれて生きる with 松本桂子
https://www.facebook.com/events/1954072741500573/
相談会、個人セッション情報もあり。
0コメント